美術館のために旅するトラベラーのブログ

草間彌生美術館

前衛芸術家である草間彌生が設立した、新宿区にある美術館。都営地下鉄大江戸線「牛込柳町駅」、東京メトロ東西線「早稲田駅」などから徒歩5〜6分と気軽に行ける立地なのですが、数ヶ月ごとに展示内容が入れ替わるため、そこそこ休館期間が長いです。開館している期間も、平日2日間と土日祝しか開館していません。しかも完全予約制。好立地のくせに、ふらっとは訪れることのできない、いけずな美術館。それが YAYOI KUSAMA MUSEUM ー 。

予約した時間に入口付近で待機してると、係員からアナウンスがあり、オンラインチケットを見せたら入場です。各回90分の定員入替制なので、ゆっくり鑑賞派の私は「全部ちゃんと観れるかな?」と心配していましたが、まったく問題ありません!都内の戸建て住宅にありがちな縦に細長〜なビルで、とにかくワンフロアが激狭。我先にと展示室に向かわずとも1時間程度で充分に鑑賞できます。1階が受付とショップで、2〜3階は企画展(ここは写真撮影不可)、4〜5階は常設展示とのこと。外国人観光客に人気と噂に聞いていたとおり、半分くらい欧米からの観光客でした。

その創造する力に圧倒される!あなたが思うよりすごい人、草間彌生。

長野県で生まれた草間彌生は、10歳の頃から不思議な幻聴や幻覚を見ていたそうです。そんな幻覚を絵に描き始めたのが画家になるきっかけとか。心の病に悩まされていた10歳の少女が、その幻覚を絵に描こうと考えるなんてそれがもうすごい。それからいろいろあって、1957年に渡米。前衛芸術家として活躍しました。日本ではかぼちゃや水玉をモチーフにした作品が有名で、何となく「かわいい~」みたいに思われている感じもありますが、網目や水玉模様などひとつのモチーフで作品を埋め尽くすことで、「無限」や「永遠」を表現しているのです。見た目でも楽しめるし、背景を知った上で、いろいろ想像しながら楽しむのも良いかと。

作品タイトルを知った上で鑑賞して欲しい、草間彌生の世界。

1階の受付付近に企画展のリーフレットや作品リストがあります。まずはそれを貰ってください!作品タイトルにもパワーあるので、これを知った上で鑑賞するのがおすすめ。ちなみにエレベーターは下りしか使えません。奥にあるちょっぴり怖いスケルトン階段で2階に上がりましょう。私が訪れたとき、2〜3階では「毎日愛について祈っている」という企画展が開催中(企画展は写真撮影不可)。草間弥生は小説家でもあり、この企画展の作品にはさまざまなメッセージが言葉として書き込まれていました。すでにかなりのご高齢のはずですが、今でも精力的に作品を生み出し続けているバイタリティには頭が下がります。感性がお若い…!尽きることない創造の力。

4階には『 I’m Here, but Nothing 』というインスタレーションがありました(写真左上)。部屋のようになっていて、3〜4名ずつ順番に入り、1分間だけ鑑賞できます(ちょ、短か!)。薄暗い部屋の中、光がチカチカして、一瞬どこにいるのかわからなくりました!草間彌生が見ていた幻覚がこのようなものならば、かなり大変だっただろうな〜と。『マルコヴィッチの穴』的な体験型の作品です。5階の半分は資料室、半分は屋上になっていて、ここにも作品『命』があります(写真右上)。鑑賞が終わったら、エレベーターで1階に戻りましょう。エレベーター内も水玉なのは言う間でもなく。1階にあるトイレもちょっとだけ水玉。

草間彌生美術館 公式サイト

https://yayoikusamamuseum.jp

草間彌生のことは知っているけど、作品はよく知らないという人にこそ訪れて欲しい美術館。日本が誇る前衛芸術家のこと、もっと知りたくないですか?神楽坂あたりでランチしてからちょっと足を延ばして芸術鑑賞してみるとかもありかと。1人でじっくり鑑賞するもよし、友達やパートナーと意見交換しながら鑑賞するもよしです。草間彌生の世界に迷い込んでみてください!