ジャン = ミシェル・フォロンはベルギー出身の画家です。私が初めて彼の作品を見たのは、渋谷Bunkamura(文化村)のザ・ミュージアムで開催されていた展覧会。完全に心を掴まれてしまいました…!そこでリサーチしたところ、なんとベルギーにフォロン自身が立ち上げた美術館があることを知ったのです!もう行くしかないということで、フォロン見たさにベルギー行きを決意。ついでにブリューゲルやマグリットも鑑賞できちゃう絵画好きにとって夢の国、それがベルギー!
日本から訪れるには遠いが、その価値はあるフォロンのミュージアム
フォロンの美術館の名前は Fondation Folon で、日本では『フォロン財団』『フォロンミュージアム』などの和訳で紹介されています。とっても素敵な場所なのですが、ブリュッセルから公共交通機関で行く場合、とにかくアクセスに難あり。本来は車で行く場所なんだと思います。私はグランプラスに近いホテルに泊まっていたのですが、まずトラムでFLAGEY駅まで行って、ここからバスに乗り換えました。FLAGEY駅はどうやらバスターミナルとなっているようで、広場を取り囲むように様々な行き先のバスが出ています。366番のバス停はかなり端のほうにあって迷いました…。

バスの本数も少なくて、1時間に1本くらいです。他の行き先のバスも停まるので、乗る前に確認しましょう。無事にバスに乗車できたら『La Hulpe Etangs Solvay』 で下車します。乗車時に「Fondation Folonに行きたいんだけど…」と運転手さんに伝えておいたら、降りるときに教えてくれました。ベルギーのみなさんには本当に親切で、何度も助けられました!

バス停 La Hulpe Etangs Solvayで下車したら、車道脇の歩道をまっすぐ1kmほど歩いてソルヴェイ公園の入り口を探しましょう。看板などはありませんが、それっぽい公園はひとつしかないので、そこです!どちらかというと美術館より公園に遊びに来ている方のほうが多い印象で、芝生でくつろいでいる様子が見られました。日曜日にはアイスクリームの移動販売車も。

公園の入り口から美術館はまったく見えません。入ってすぐの場所に地図があります。Château de La Hulpe(ラ・ウルプ城)や自然を眺めながら、散歩だと思って15〜20分くらい歩きましょう。

まずは一本道なので道なりに進めば大丈夫。迷いそうな場所には『Fondation Folon MUSEE』の青い看板が出ているので、それに従って向かえば大丈夫です。

開けた場所に出たら、そこに美術館があります。敷地内にはいくつかの建物があって、カフェやトイレ(美術館のチケットに番号が記載されているので、それを入力することで使用可)も。私は2回ほど訪問しましたが、どちらも人はまばらで、静かで穏やかな雰囲気でした。受付でチケットを購入(事前予約は不要)すると、日本人向けの解説を貸してくれます。手作り感あふれる、ラミネート加工された資料にスタッフさんの愛を感じました…!それと、チケットに記載された番号は後ほど必要になるので、失くさないように。

まず大きな本の扉を模した壁にあるモニターでショートフィルムを観るよう言われます。フィルムが終わるとゆっくりと扉が開き、その先が展示エリアとなっているのです。あーもう素敵すぎる!

やさしい水彩画で描く強烈なメッセージがフォロンの魅力
やわらかいタッチが魅力のフォロン作品。でもそれだけではなく、戦争や人権問題、環境問題などを扱った作品も多く、強いメッセージを視覚化する才能に溢れたアーティストなんだなと改めて感じました。やさしい雰囲気に引き込まれて作品に近付くと、ガツンとメッセージがくるみたいな。正直、私はそこが好き。鑑賞しながら考え込んでしまう自分もいたり。風刺があり、ユーモアもあって、そのための構図も完璧で。淡い色使いなのに、ぼやけてない。じっくり見たい作品ばかりで、そこまで広い美術館じゃないのに、すっかり時間が経っていました。あと、個人的に楽しめたのが、ウディ・アレンの映画のポスター!私の大好きな『カイロの紫のバラ』の公開時のポスターをフォロンがデザインしていたとは!知らなかった…!『セプテンバー』も!!

さて、いったん中庭のような場所に出ました。あの帽子のお方、リトルハットマンが水しぶきの傘(水で雨よけ…?)をさしています。ここから外に出て、真正面にある向かいの建物が美術館の続きです。深緑の扉に「MUSEE2」と小さな看板がかかっています。扉は施錠されているので、先ほどのチケットに記載された暗証番号で開錠しましょう。

フォロンの世界に包まれる立体作品とインスタレーション
MUSEE2では、彫刻などの立体作品や、フォロンのアトリエなどを見ることができます。絵画やポスターだけでなく、立体の作品にも力を注いでいた様子が伺えます。フォロンの世界の中に入ったような感覚になりました。

美術館の最後には、こころやすらぐインスタレーションが待っています。私はここで癒しのひとときを過ごしました。これは行かないと経験できない…!日本から簡単には行けない場所であるのは分かっていますが、心からおすすめしたい美術館のひとつです。

美術館を出ると、お約束のギフトショップ。「私は鑑賞に来ただけだから…」などとカッコつけてみたものの、ついエコバッグを購入。だってかわいいから…。ブリュッセル市内でフォロンのものは見かけなかったので、もし欲しいのであればここでぜひ。
| フォロン財団ミュージアム Fondation Folon Address : Drève de la Ramée 6A 1310 La Hulpe ※一眼レフカメラ・ビデオカメラなどでの撮影は禁止、スマートフォンでのみ撮影可、フラッシュの使用は一切禁止 ー公式サイトより抜粋ー https://fondationfolon.be/en/ |
ちなみに写真の撮影について。2011年に訪れたときには館内撮影禁止だったのですが、2023年に訪れたときにはスマートフォンでなら撮影は可能となっていました。公式サイトのFAQsにも「一眼レフカメラ・ビデオカメラなどでの撮影は禁止、スマートフォンでのみ撮影可、フラッシュ一切禁止」と記載されています。

美術館の周辺にも、屋外に作品が点在しています。お見逃しなく。リトルハットマンと並んで座れるベンチもあります。2011年に訪れたときは秋で、素晴らしい紅葉を見ることができました。

美術館のスタッフさんがとても気さくで、一人旅だった私はいろいろと話しかけてしまいました。日本から訪れる方も結構いるとのこと。日本語版の解説があるくらいだから、やっぱりそうか。日本人の感性に訴えるものがあるような気がします。
最後に行き方についておまけの情報。バスで帰ろうと待っていたのですが、日曜日だからなのか、いつまで経ってもバスが来ない…。バスで来る途中に電車の駅を見かけたのを思い出し、Google Mapsを頼りに行ってみることに。結論、行けたけど遠かったー!美術館から『La Hulpe』駅まで徒歩で50分くらいかかりました。で、そこからブリュッセル中央駅まで電車で35分くらい。私みたいに歩くのが好きな人ならいいけど、やっぱりバスのほうがよさそう。でもこのソルヴェイ公園は、子供だったフォロンが戦時中に疎開していた村の近くで、特別な思いれがあるそうです。フォロンにとっては、この場所に美術館を建てることに意味があったのかなと思いながら、一人てくてく歩いてみたのでした。
museum-traveller NiB.

