ストックホルムにある“National Museum”は、世界的に見てもレンブラントの作品を多くコレクションしている美術館。シェップスホルメン島へと渡る橋の手前にあり、海に向かって佇む外観もこれまた美しく、すっかり好きになってしまいました。フランス絵画が多い印象でしたが、クラナッハやゴヤもあるし、あまり知らなかったスウェーデン画家の作品に出会えたのも嬉しい収穫。意外にと言っては失礼ですが、とても素晴らしい美術館でした。日本語では『スウェーデン国立美術館』と紹介されているこちらの美術館、正確にはスウェーデンにある『国立美術館』です。
館内に入ってまっすぐ進むと、自然な流れでチケット売り場に。チケットを購入するとシールを渡されるので、スタッフから見えやすい場所に貼りましょう。剥がれやすいので気をつけてください!(チケット購入後、すぐに剥がれて失くしてしまい、もう1回もらった迷惑な私…)

まずは地下にあるロッカーに向かいましょう。大きめの荷物(40×38×36cm以上)は持ち込み不可と公式サイトに記載されています。ヨーロッパの美術館ではよくあることなので、私はいつも館内用にサコッシュも持っていくようにしています。あとトイレも地下なのですが、ストックホルムではトイレが男女に分かれていません。個室がたくさんあって、それぞれの個室に洗面所もついています。最初は驚いたけど慣れると楽だなって思いました。(日本だとメイク直しとかで洗面所を占有する人がいるので…)

さて、いよいよ鑑賞エリアです。16〜17世紀の作品は“Top floor”、“Middle floor”には19世紀以降の作品が主に展示されています。館内Mapは展示エリアで入手できるので、探してみてください。

豊富なレンブラントのコレクション!若き日の肖像画から後期の大作まで
レンブラントの作品は最上階。24歳に描いた自画像(小さい作品なのでお見逃しなく)から、晩年にアムステルダム市から依頼を受けて描いた大作(理由は不明だけど受け取り拒否されたらしい)まであり、レンブラントの変わりゆく作風や筆使いも堪能できます!2点並べられた女性の肖像画も興味深い。こちらではレンブラントの素描も多く収蔵しているはずですが、展示はされていないようでした。

ついにあの美女を発見…!これがスウェーデン絵画!
美術館の入り口に掲げられ、館内Mapでも推されているスウェーデン出身の画家アレクサンドル・ロスランによる“The Lady with the Veil. The Artist’s Wife Marie Suzanne Giroust”を発見しました!解説によると、この女性はロスランの妻で芸術家のジルースト様…!なんとなく斜視にも見える魅惑の美にうっとりです。(カポーティ『ティファニーで朝食を』の主人公ホリーも斜視と表現されていましたが、なんか独特の美があって惹かれるんですよね〜) ちなみに割と大きめの絵画に挟まれており、ちょいキツキツに展示されていました。もう少しスペースあったほうがいいような気も…。

ロスランと同時期にフランスで活躍していたブーシェの“The Triumph of Venus”も必見です。また、16世紀の国王が収集したというクラナッハのコレクションも素晴らしい!エル・グレコやアルチンボルドもこのあたりです。

このフロアだけで2時間以上かかりました。見逃しがないように館内Mapで確認しながら鑑賞するのがおすすめです。さて、そろそろ下の階に移動して、19世紀以降の絵画のゾーンへ。セザンヌ、ルノワール、ドガなどの印象派も一通り揃っていますが、せっかくなのでスウェーデン画家をじっくり観たいところ。まずはスウェーデンといえばのカール・ラーションをぜひ!他にもラーションの作品はありますが、このコーナーでは家具と作品が組み合わされており、作品の世界をより感じられる展示となっています。

個人的に気になったのは、こちらもスウェーデンの画家、イェニー・ニュストレムの“The convalescent”です。お見舞いにきた愛くるしい少女と、病気の少女が描かれています。1884年の作品ですが、当時は病気の子供をモチーフとした絵画がよく描かれていたそうです。なんというか、生と死のコントラストが鮮烈で、残酷さを感じながらも惹かれてしまいました。タイトルは「回復期の病人」という意味なんですが、回復…しそうには見えないかも…。ここは受け手の感性の違いかな。じわりとした迫力のある作品であることは確か。イェニー・ニュストレムはイラストレーターとしても有名な方です。

こちらの美術館では、北欧デザインの家具や食器も多く展示されていて、16世紀の絵画から近代のデザインまで幅広く楽しめるのはいいなと思いました。エアライン好きとしては、スカンジナビア航空のデザインについて知れたのは嬉しかった!もし古典絵画に興味がなくても、北欧デザインが好きならこの美術館は絶対楽しめると思う。両方好きな私にとっては最高。結局、鑑賞時間は4時間程かかりました。

| スウェーデン国立美術館 National Museum Address : Södra Blasieholmshamnen 2 Stockholm ※写真撮影可(フラッシュ・自撮り棒・三脚は不可/商業利用は書面による許可が必要) ー公式サイトより抜粋ー https://www.nationalmuseum.se/en/ |
公式サイトに木曜日の17時〜20時は無料とあったので行ってみたところ、17時前から長蛇の列が。一応並んでみたものの、30分経ってもまったく列は進まず…。貴重な海外での時間がもったいないと諦めて、翌日にちゃんと料金を払って鑑賞しました。まあ、どの美術館でも無料開放日は混雑するのが普通です。ゆっくり見るなら無料開放日は避けるべしと改めて思いました。

美術鑑賞のあとは、シェップスホルメン島をお散歩したり、カフェでカルダモンロールとコーヒーもおすすめですよ。美術館にもカフェが併設されていますが、かなり混んでいました。街中で素敵なカフェを探すほうがいいかも。そして北欧といえばシナモンロールを思い浮かべるかもしれませんが、スウェーデンではカルダモンロールをぜひ試してみてください!私は滞在中にすっかりはまってしまい、毎日食べてました。とにかく香りが良くて、食べるとカルダモンの粒がかりっと弾けて、ほんとおいしいです!どうやらシナモンロールより人気みたいで、ストックホルムのパン屋さんやカフェで毎回見かけました。ストックホルムを訪れたら、美術館のあとにカルダモンロールをお忘れなく!
museum-traveller NiB.

